パリパラリンピックに妊娠7か月で臨んだアーチェリーの選手が、大会史上初めて妊婦としてメダルを獲得した。「競技のために家族を持つことを我慢する必要はないはず」と話している。パラアーチェリーの英国代表・ジョディグリナムは、生まれたときから左手の4本の指がなく、初めてのパラリンピック出場となった2016年のリオデジャネイロ大会では、混合団体コンパウンドで銀メダルを獲得した。その後3回の流産を経て、一昨年、長男を早産で出産した。そして31歳で迎えた今回のパリ大会は妊娠7か月で、看護師と助産師を帯同して臨んだ。31日、同じ英国の選手との対戦となった女子個人コンパウンドの3位決定戦で、グリナムは最終の第5エンドで満点の10点を続けて出し、142対141で逆転勝ちして銅メダルを獲得した。IPC・国際パラリンピック委員会は「パラリンピックの表彰台に初めて立った妊娠した選手だ」としている。そしてグリナムは「たび重なる流産のあと競技に復帰する難しさもあった」として、「世界中に自分しかいないような孤独感に今も苦しむ女性たちをどう支援するべきか、より広く話す必要がある」と呼びかけた。