メローニ首相が中国との関係を修復する狙いは中国との経済的な関係の立て直し。イタリアはG7の中で唯一「一帯一路」に参加していたが去年12月に離脱した。背景には中国に対するの貿易赤字が膨らみ経済的な恩恵を受けられなかったことやアメリカやNATOなどとの関係を重視したい政治的な思惑もあったとされている。とはいえイタリアにとって中国は重要な貿易相手国。中国はイタリアにとってEU加盟国以外ではアメリカに次ぐ輸出相手国。メローニ首相の訪問に合わせて北京で開かれた中国とイタリアのビジネスフォーラムにはイタリアのエネルギーやファッションなどのメーカーが出席し、中国との経済関係への期待がうかがえる。一方、習主席の狙いはイタリアを引き止めてG7の一員であるイタリアとの関係を強化することでEUや米による中国製EVへの追加関税などの包囲網に揺さぶりをかける狙いがあるとみられる。中国共産党系のメディア「環球時報」の英語版はメローニ首相の訪中について専門家の話として「イタリアの一帯一路離脱は非協力的でも政治信条からでもなく米国やほかの西側諸国からの圧力のせい」だと伝えている。一帯一路は習主席肝いりの経済政策でイタリアの離脱は痛手だったがそれぞれの思惑を背景に両国は再び関係を強化させようとしている、などと伝えた。