11月に行われる米国大統領選挙に向けた、先週のテレビ討論会を受けた金融市場の反応について。バイデン大統領が不調だったことが大きな話題となった。討論会後のCNNテレビが行った調査では、トランプ氏が良かったが67%、バイデン氏が良かったが33%とダブルスコアになった。これを受けた市場の反応は限定的ではあったが、討論会をどう見たのかを米国経済に詳しい専門家に聞いた。フィデリティ投信・重見吉徳マクロストラテジストは「そこまで踏み込んだ経済政策とか税制の政策についての議論というのは突っ込んだ議論はなかったという(市場の)動きだと思う」と述べた。そうした中でも、討論会の最中に動いたのが米国の金利だった。一時上昇して、円安が進む要因となった。重見氏は「トランプ氏優勢の印象が強まったことで、公約の法人税や所得税の減税措置の継続が財政拡張的というふうに映った可能性があると思う」とする一方で、今回の討論会だけでは、どちらが優勢かはまだ見通せないという。「再選を目指す大統領はいくぶん新鮮味を欠くということもあり(過去の大統領選挙の)討論会の序盤戦では良い結果が出ないということもあったため、選挙結果も金融市場の動きも予断を許さないと思っている」と述べた。