アメリカ大統領選挙に向けたハリス副大統領とトランプ前大統領のテレビ討論会が、日本時間のあす、幕を開ける。全米に生中継される討論会は、時に有権者の判断を左右する、大きなヤマ場。有名なのが1960年、史上初めての討論会。表情が硬いニクソン氏に対し、ケネディ氏は、はつらつとしていると受け止められ、勝利を引き寄せたとされている。2000年、ブッシュ氏と対決したゴア氏はブッシュ氏の発言に何度もため息をつく姿が、人を見下していると批判を浴びた。記憶に新しい6月のバイデン大統領とトランプ氏。バイデン氏は言葉に詰まる場面が目立つなど精彩を欠き、選挙戦の撤退という異例の事態につながった。討論会のルール、双方の声明を紹介。ハリス氏にとっては、大統領としての資質を備えているのか、その真価が問われる場になる。ハリス氏は党の候補者になって以降、公式な記者会見を一度も開いていない。討論会では人工妊娠中絶の権利を擁護する立場を示し、トランプ氏との違いを強調すると見られるが、厳しい質問や批判も想定され、事前に原稿を準備できない環境で、適切な受け答えができるのか、その点も問われることになる。一方のトランプ氏は、バイデン政権の下で国民の不満が高まったインフレや移民問題を取り上げ、副大統領のハリス氏には、政権の一員としての責任があると追及する構え。ただ、トランプ氏が個人攻撃や批判を展開すれば、当選に欠かせない無党派層への印象が悪化する可能性がある。