注目ポイント「日米金利環境の変化とドル円相場」。日米の10年債利回りを重ねてみると、それぞれ水準は異なるものの、ほぼ同じペースでこれまで上昇してきた。ただ9月以降、アメリカの長期金利の上昇に拍車がかかっており、今年6月の骨太ショックから夏場ごろまでは、日本の円安を伴った悪い金利上昇、これがアメリカに波及しかけていたので、それを阻止する目的もあって、アメリカは協調介入に踏み切ったと思われる。それを証拠に、ベッセント長官は介入後に、日銀に利上げを促したり、日本はリフレ政策を辞めるべきだと発言している。今はむしろアメリカの長期金利の上昇が加速していて、日本の長期金利を引っ張っているようにみえる。トランプ大統領が9月9日に、中間選挙で上下両院を共和党が制した場合には成人全員に5000ドルを配ると言及したことが影響したと思われる。アメリカの10年債利回りと、期待政策金利と、財政懸念が高まるときなどに上昇しやすいタームプレミアムを分解すると、FRBに対する追加の利上げ期待で、期待政策金利は上昇し続けているが、これまで落ち着いていたタームプレミアムが9月以降に急上昇している。明らかに、トランプ配当発言で、アメリカの財政懸念が高まったということが背景だと思われる。今後のドル相場は、アメリカの財政悪化は、今に始まったことではない。今回のトランプ配当発言によって、アメリカの財政悪化を改めて、市場に意識させた。今のところ、債券安とともに株安とかドル安、このトリプル安にはまだなっていない。トランプ配当というのは、共和党にとっては、全く追い風になっていなくて、ポリマーケットという賭けサイトを見ると、上下両院で、この発言以降むしろ共和党の勝率が下がっていて、すでに5割を切っている。これを見る限り、この政策自体実行されない可能性が高い。アメリカ経済は、比較的堅調であるということも、トリプル安になりにくい背景。今後はその経済成長を伴う、良い金利上昇なのか、財政懸念の悪い金利上昇なのか、金利上昇の質にも注目したい。日米ともに、来年3月まで、2回の利上げが行われると予想している。そのため、日米の金利差は、今後極端に広がることもなければ、極端に縮まることもない。当面155円を中心とした相場が続くと。今年の年末予想値は、158円。来年末は161円と今のところ予想している。
