女優の三田佳子さん。りんとした美しさと、巧みな感情表現で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を始め、これまで数多くの賞を受賞してきた。今年で芸歴65年目の”大女優”。三田さんは、自分の持ち味は消して、その都度役に寄せていくタイプだと話す。いろんなものに返信していくために、その都度勉強して、新しいものをつくっていき役の人生そのものを生きる。1960年18歳で映画デビューを飾った時に芽生え、今も尚持ち続けている女優のポリシーだという。きっかけとなったデビュー作の相手は、当時”東映の次世代スター”として売出し中だった「梅宮辰夫」さんだった。最初は梅宮さんとのラブシーンだったが、その時が一番恥ずかしかったという。絵の学校に行っていたため、表現することは嫌いではなかったと話す三田さん。演技の仕事をどんなものか考えた時に、絵筆を肉体に代えて人生を描けば良いと考えたら納得出来たという。その後、東映の看板女優としてスターへの階段を駆け上がった。役を生きるという中で、三田さんが現在取り組んでいるのが”朗読劇「青空」”舞台は80年前、太平洋戦争真っ最中の日本。国の命令に背いて、戦時中を生き抜いた少年と愛犬・野良猫の物語。三田さんが演じるのは、犬とのこと。自分でも結果が楽しみだと話す。