ブラジルでもガソリン価格が値上がりしているが、ブラジルでは植物由来の燃料が普及し燃料費の負担を軽減している。ガソリン価格は日本円で180円余となっているが、エタノールは110円程度。バイオエタノールの原料となっているのはサトウキビ。サンパウロ近郊ではサトウキビ畑が広がっている。1970年代の石油危機をきっかけに、政府は「プロアルコール」と呼ばれるキャンペーンを開始していて、サトウキビによるエタノール生産を促進させた。この動き脱炭素化にも繋がっている。国土の広いブラジルではEV用充電スタンドの設置は巨額の費用がかかるため、自動車メーカーもバイオ燃料で走る車の生産に力を入れている。ステランティスは3月、ブラジルではバイオエタノールの活用を戦略として位置づけると発表した。トヨタ自動車はガソリンとバイオエタノールのどちらでも走るフレックス車にハイブリッドシステムを搭載した「フレックス・ハイブリッド車」を生産している。発売から4年で販売台数は5倍に増えている。専門家は「ブラジルにとってバイオ燃料はサウジアラビアの石油のようなもの。数年で生産量を3、4倍にでき、輸出も可能になる」と話している。ブラジルではガソリンだけで走る車のシェアはわずか2.3%。フレックス燃料車は77%となっている。