世界の軍事情勢を分析しているスウェーデンのストックホルム国際平和研究所は年次報告書をまとめた。世界の核弾頭の総数は今年1月時点の推計で1万2241発としている。ただ、核保有国のうち、最も多いロシアと次に多いアメリカの2か国だけで全体の9割近くを占めている。3番目に多い中国は毎年約100発と、世界のどの国よりも速いペースで増やしていると分析している。また、約2100発は弾道ミサイルに搭載され、短時間で発射できる状態にあるとし、東西冷戦の終結以来続いてきた核軍縮の時代は終わりを迎えつつあるとしている。さらに核紛争のリスクをめぐって、防衛システムへのAIの導入によっても意思疎通や状況認識の誤り、技術的なトラブルが起きるなどして危険性が高まる恐れがあると指摘している。