民間の小型ロケットが先週衛星打ち上げに再挑戦したが、再び失敗に終わった。水野倫之解説委員が「この小型ロケットは宇宙開発で実績のある重工や電子機器メーカーなどが出資する民間企業スペースワンが開発した全長18メートルのカイロス。初号機の対策をした上で、先週2号機が小型衛星5基を搭載して和歌山県の発射場から打ち上げられた。しかし姿勢を制御するエンジンの吹き出し口にトラブルが発生。機体が回転し始め安全装置が働いて爆発。国内民間単独初の衛星軌道投入はまたもならなかった。世界では小型衛星を多数打ち上げて通信サービスを行うビジネスが盛んで、小型ロケットの開発競争は激しくなっているが、現状は米国のベンチャー1社が市場を席巻している。カイロスはこの市場に参入し年間20回の打ち上げを目指していたが、遅れは避けられそうにない。日本の小型ロケットは他にもJAXAのイプシロンSがあるが、こちらも試験で2回連続で爆発し打ち上げの見通しが立っていない。官民ともに停滞状況が長く続くと、世界の衛星事業者から日本のロケット技術全体の信頼性に疑問符がつけられて敬遠されてしまいかねない。お互いが協力して官民共同の小型ロケットの基幹技術の総点検を行うことで実現する場を作ることを検討してもらいたい」とスタジオで述べた。