南米ボリビアに人喰い山と呼ばれる鉱山がある。現地ではこの過酷な現場で大人たちに混じって働く子供の姿もあった。セロ・リコは16世紀から続く採掘作業の中で多くの労働者の命が失われてきた。3か月前から働き始めたという14歳の少年と出会った。働くのは家族の生活費を稼ぐため。日給はおよそ3000円。学校には通っていない。標高は4300m。人一人がやっと通れる坑道が延々と続く。仕事は重さ250kgのトロッコを押すこと。鉱石を一杯に積むと重さは1トンを超えるという。一番奥で採掘するのはベテラン労働者の仕事。岩盤崩落と隣り合わせの危険な作業。採掘した鉱石をトロッコに積み込むと、視界が一気に遮られるほどの粉塵が舞う。ネイマールくんはこの劣悪な環境で毎日働いている。いまどれくらいの子どもが鉱山で働いているか正確な人数はわからない。地元警察によると、去年1年間で117人が死亡し、そのうち5人が未成年だったという。貧困家庭が多いボリビアでは、農村部の子どもの6割ほどが小学校を卒業すると何らかの仕事につくと言われている。十分な教育を受けないことで、低賃金の仕事にしか就けず、貧困から抜け出せない子どもたちも多いという。