大手企業の間で初任給を30万円以上に引き上げる動きが続いている。牛丼チェーンのすき家などを展開するゼンショーホールディングスは、ことし4月に入社する大卒の新入社員の初任給を31万2000円に引き上げることを決めた。このほか、石油元売りのコスモエネルギーホールディングスは33万円、おもちゃメーカーのバンダイは30万5000円、大手スポーツ用品メーカーのアシックスは30万円に引き上げる。大手ゼネコンの清水建設も、初任給を去年より2万円引き上げ30万円にした。背景にあるのが、建設業界の人材不足。都市部を中心に大規模な再開発が相次いでいることから、ほかの大手ゼネコン各社も初任給を30万円に引き上げている。一方で労働市場に詳しい専門家は、働きやすい環境作りも大切だと指摘する。第一生命経済研究所・星野卓也主席エコノミトは「必ずしも賃金だけではないのかなと。その企業に勤めることによって自分のスキルが上がっていく、そういうところに配慮した人事の仕組みや福利厚生のあり方をより一層考えていく必要がある時代になってきている」と述べた。