韓国の尹錫悦大統領が一時、「非常戒厳」を宣言したことをめぐり、きょうにも国民向けの談話を発表すると韓国メディアが報じた。韓国の大手紙「ハンギョレ新聞」は、尹大統領がきょう、国民向けの談話を発表すると報じた。戒厳の宣言をめぐり、国民に不安や混乱を生じさせたことに謝罪をするとみられる一方、任期途中での退陣など自らの去就については、言及しない可能性が高いと伝えている。また、談話を発表することで、野党が国会に提出した自らへの弾劾訴追案が採決される前に事態の沈静化を図る狙いがあるとの見方を示している。こうした中、野党はきょう未明、尹大統領の弾劾訴追案について、国会で趣旨説明を行った。これに先だち与党は弾劾訴追案に反対する方針を固めていて、趣旨説明は与党が欠席する中で行われた。韓国メディアによると、最大野党は早ければあすにも本会議で採決することを目指しているという。未明の本会議開催など異例ともいえるスピード感の背景について、韓国メディアは「最大野党が尹政権への否定的な世論が強まっていると判断し、弾劾訴追の日程を最大限、早めようとしている」との見方を示している。