芸術文化の分野で優れた功績を上げた人たちに贈られる高松宮殿下記念世界文化賞。ソフィ・カルはフランスを代表する現代アーティスト。母から文章を、父・ロベールから絵をもらったというカルは、写真と文章を組み合わせ人生や日常の空間をアートへと展開。アーティストとしての活動を始めるきっかけになった作品、眠る人々。見知らぬ人を自宅に招き自身のベッドで眠る様子を撮影し、そこにインタビューを加え、写真と文章で構成した。その後も街で遭遇した人を尾行して、その行動を撮影したヴェネツィア組曲や、偶然拾ったアドレス帳に書いてある人物をたどった作品、アドレス帳など、他人の生活をのぞき込むような作品を発表する一方、自分自身をテーマにした作品もある。留学経験がある日本で開催された初めての個展は、みずからの失恋体験を表現し大きな反響を呼んだ。カルは「アイデアというのは年に1度あるかどうかわからないから素晴らしいものです」と話した。授賞式は11月19日。