宮沢賢治の死後、遺族は未完に終わった「銀河鉄道の夜」の原稿を発表し、戦後になって評価が高まった。作品では主人公のジョバンニ、友人のカムパネルラが星座にちなんだ場所をめぐるが、カムパネルラは故人だったことをが判明する。岩手・奥州市には全世界に6ヶ所だけ設けられた緯度観測所の1つがある。星が好きだった宮沢賢治は度々、足を運んだといい、天文現象を「銀河鉄道の夜」の物語に反映させていた。天文学の専門書を通して、最先端の宇宙科学も知り得ていたという。番組では国立天文台から最新の観測データを入手し、宇宙空間をCGで再現した。天文学者の渡部潤一教授は宮沢賢治の大ファンで、星と作品の関わりを研究している。キリスト教の象徴である十字架から十字架への旅が描かれているという。