通訳のタイヒラー曜子さんは1964年、広島の被爆者で理論物理学者として広島女学院大学の教授をつとめた庄野直美さんなどがオッペンハイマーと面会したと証言した。訪問団のアメリカでのスケジュールを記した資料。1964年6月に庄野博士がオッペンハイマーとの非公表でのアポイントのためプリンストンを訪れるなどと記されている。今回見つかった映像資料は、面会の様子をタイヒラーさんが2015年に証言したもので広島市のNPOに残されていた。面会については庄野さんの、後に旧制高校の同窓会誌などで明らかにした上で、“博士は私に「広島・長崎のことは話したくないのでかんべんしてほしい」と語りかけた。背負っている重荷をひしひしと感じた”などとつづっている。