今週、タイでは、生成AIの利用拡大を推し進める国家レベルのプロジェクト「THAIパスポート」が始まった。政府のシステムに登録すると、米中など14超企業が提供する30以上の生成AIが最長1年間、無料で利用可能になるという。対象は15歳以上のタイ国民で、政府が約77億円の予算を計上し、利用料を支払うという。目的には、利用格差をなくすことなどがあるという。今年1~3月の世界の生成AIの利用経験がある人の割合の平均は17.8%だが、タイは12.4%と低い水準にある。タイ政府は、このプロジェクトで、労働生産性の向上やデジタル人材の育成に期待しているという。一方、その効果が本当に見込めるか、外国AIへの依存などの懸念点があるという。山澤里奈さんは「東南アジアの他の国のAI戦略だと、例えばシンガポールは国家をあげたAI戦略のもと研究開発に重点的に投資しています。ベトナムは、2030年までのAI戦略を掲げ、国内のAI企業を支援しています。タイも同様の政策を進めていますが、このプロジェクトが単なる利用者の拡大に終わるのか、それとも人材の育成と独自のAI産業を進める一歩につながるのか、タイの国家戦略自体も問われることになりそうです」などと話した。
