米国の先月の小売業の売上高は市場の予想を上回り、消費の底堅さを示す内容になった。また新規の失業保険の申請件数が市場予想を下回ったことで、労働市場の堅調さが確認できたとして、FRBによる利下げのペースが緩やかになるという観測が広がった。このためニューヨーク外国為替市場では日米の金利差が縮まりにくいという見方から、円を売ってドルを買う動きが進み、円相場は一時、1ドル150円台前半まで円安ドル高が進んだ。1ドル150円台をつけるのは今年8月以来、約2か月半ぶり。市場関係者は「FRBによる大幅な利下げ観測が一段と後退し、ドルを買う動きが強まる展開となった」と話している。一方、ニューヨーク株式市場では、米国の景気の先行きに対する期待感から買い注文が優勢となり、ダウ平均株価の終値は前日と比べて161ドル35セント高い4万3239ドル5セントだった。ダウ平均株価の最高値の更新は2日連続。