今年のノーベル経済学賞について崔さんは、受賞理由はなぜ国ごとに経済格差が存在するのか、これに対して制度の側面から研究を重ねてきたことに対する受賞だという。現在先進国の富は、最も貧しい国の富に関して約30倍もの格差がある。こうした貧困や格差はどこからくるものか、その原因と解決策を示している。格差快勝のために、これまでは赤道直下の国々は貧しい国が多く気候の影響が大きいと言われてきた。しかし、アセモグル博士達が明らかにしたのは、社会や政治制度の影響は極めて大きいということ。特に欧州諸国による世界中の植民地政策が国別の格差を生む契機になったとも指摘。多数の国に対して長期的な影響を分析。植民地政策が取られた国の中でも、経済成長を続けている国とそうでない国が存在する。大衆の利益を搾取するような政治制度を作った国では、今でもそうした制度が根づき、現代の低い経済成長につながっているという。一方で、その国の投資を促すなど相対的に民主的だった国は逆の結果を生んでいる。さらに、独裁的な政治や経済を持つ一部のエリート層に集中した社会はいずれ変革を迎える事を示唆。