今年2月、番組は中国・青海省にあるダライ・ラマ14世の生家へ向かったが近づくことはできなかった。中国政府が神経を尖らせる理由は、今年がダライ・ラマ14世の後継者を決める年と言われているからだそう。ダライ・ラマ14世は1959年にチベット動乱を機にインドに亡命し、チベット亡命政府を打ち立て、現在もダラムサラで暮らしている。先月、中国政府はダライ・ラマについてチベット人民を代表する権利はないなどと話し、分離独立主義者であるなどと激しく批判した。チベット仏教ではダライ・ラマの死後、後継者は「生まれ変わり」を探す伝統がある。しかし中国政府が都合の良い「ダライ・ラマ」を擁立するのではないかと懸念されていて、チベット亡命政府はダライ・ラマが90歳になる今年7月に自ら後継者について判断する可能性があるとしている。こうした中、ダライ・ラマ14世は著書の中で後継者は中国国外の自由な世界で生まれるとの見解を示している。