データセンターの需要に関連して半導体冷却に関する新技術も開発競争が激化している。今月マイクロソフトが「マイクロフルイディクス」という新技術を発表した。この新技術は半導体内部に非常に細いパイプを血管のように張り巡らせ、その中に冷却水を流すことで直接熱を除去する。導入はまだ先になるというが、マイクロソフトによると熱除去の性能が従来の3倍に改善した他、GPUの最高温度を65%引き下げるなど目覚ましい成果につながっているという。マイクロソフト以外にもアマゾン傘下のAWSが7月に自社で開発した独自のチップ冷却システムを発表した。他にもサーバー自体を専用の液体に浸す「液浸型」と呼ばれる冷却方式の開発も進んでいる。旺盛なAI需要を背景にデータセンターの稼働がますます高まることが予想される中、半導体冷却に伴う膨大な電力消費をいかに効率化するかが競争力に直結するため、各社の取り組みが続いている。これらの取り組みは電力消費の効率化に対する需要の大きさと息の長さを象徴している。バーティブ、シノプシス、アームの3銘柄にとって追い風になるとみられている。