ボクシングスーパーバンタム級4団体統一チャンピオン・井上尚弥選手は、あす防衛戦を行うが、この一戦を今後のさらなるステップアップに向けた重要な一戦と位置づけている。去年11月、井上選手の姿はサウジアラビアにあった。いまサウジアラビアは、ラスベガスを超えるボクシングの聖地を目指し、世界のスター選手を集めてビッグマッチを次々と実施。井上選手は注目選手として、サウジアラビアと約30億円のスポンサー契約を結んだ。あすの防衛戦で結果を出して弾みをつけたいと考えていた。しかしこの防衛戦は、相手のけがで1か月の延期に。さらに13日前に再び相手がけがをして対戦相手が変更になった。井上選手はデビュー以来、28戦全勝、25KO。史上2人目となる2階級での4団体統一という偉業を成し遂げている。しかし今回は、試合の延期と直前での対戦相手の変更という異例の事態。かつて経験したことがない急ピッチでの調整を強いられた。試合に向けて大事にしているのが、基本動作の確認。対戦相手は、韓国・キムイェジュン選手。日本選手に7戦全勝し、存在感を示している。井上選手は「これまでにない状況で結果を残すことがさらなる飛躍につながる」と考えている。