ドイツ証券・小川さんはドル円予想レンジを153.00~154.50円とし、「昨日はイベント前のポジション調整でドル円が若干下落した。本日は日米金融政策決定を控え、底堅い展開を予想している」と話した。また、注目ポイントには「2025年もドル高地合い続く」と挙げ、アメリカの金融政策について「今回Fedは利下げを行うものの、比較的堅調な雇用市場と落ちきらない物価動向という現状を鑑み、利下げを急がないというメッセージを送るとみている。また、トランプ次期政権の政策の影響は未知数で、減税や規制緩和により経済が活性化される一方、移民や関税政策により物価・経済に与える影響は大きく異なるとみられる。ドイツ銀行のアメリカ経済と物価動向の見通しでは、主に関税引き上げについて対中は+20%、他主要な貿易相手国に対して+5%の引き上げを前提としたベースシナリオに対し、対中は+40%、主要貿易相手国に対して+10%の引き上げを前提としたダウンサイドリスクシナリオを明記している。関税規模が大きくなった場合、2026年の経済は+2.1~1.7%に下振れ、インフレは+2.7%~3.5%へ上振れと大幅に状況が異なってくることが予想される。弊社はFedについて来年いっぱい金利据え置きとみているが、状況によってはタカ派的な展開もありうると考えている。ドルの全体の動きを考える上では、ドルインデックスの6割を占めるユーロの動きが重要。先週のECB(理事会)では今年4度目となる利下げを行ったが、プレスカンファレンスでもより大きな利下げ幅が検討されたりなど、全体としてハト派寄りだった。AIを使ったプレスカンファレンスのステートメントの全体と経済部分のタカ派度合いを測ったグラフを見てみると、今回は両方ともタカ派度合いが弱まり、ハト派度合いが強まったとみており、この先も来年中盤まで毎回の利下げ、年後半も追加利下げを行い、来年末1.5%まで下げると予想している。ユーロドルについては年1.0という展開を見ているが、上については弊社ではあすの決定会合で日銀の利上げを予想している。日米の金利差は縮小方向に動くものの、追加利上げへのパスは緩慢であるとみており、一方で米国はトランプ政権の政権次第で金利上振れのバイアスがあるため、中期的にはドル円の下げは限定的とみている」などと話した。