インドは勢いを増す経済大国で、GDPも2025年以降、日本やドイツを抜き3位浮上の見通し。人口は中国を抜いて14億4000万人を超える。インドに進出を決める日系企業も多く、日本との関係も非常に深い国。インドは人もお金も世界最大級。有権者数は選挙権は18歳以上に与えられているので約9億7000万人。立候補者数も8360人。費用も約2兆円で、日本の衆院選挙費用が約600億円と言われるので33倍にあたる。投票は日本の9倍の国土があるため、7エリアに分割し、エリアごとに投票日を設けて実施する。6月4日に一斉開票が行われ、大勢はその日に判明する。投票方法もユニークで、インドでは国民の約27%が読み書きできないため、投票は電子投票。電子投票では立候補者の名前のほかに顔写真、政党のシンボルマークが記載され、その横のボタンを押す。例えばモディ首相の与党・インド人民党のシンボルマークはハスの花、最大野党・国民会議派は手のひらのマーク。選挙管理委員会も大忙しで、投票所は有権者の居住地から2km以内に設置と規定があるため、広大なインド各地に105万か所以上設置する。選挙管理委員も約1500万人以上いて運営する。電子投票のため機械を運ぶにも労力がかかる。映像で投票所を国中に設置するため、必要な機材をあらゆる場所に運ぶ選挙対策委員会のスタッフの紹介。足元の悪い道を進み、リュックを背負って崖を登ったり、馬に乗って山を超えたり、カゴを使ったり、吊り橋をわたって流れの速い川を超えることも。ときには機材を船に積み込み、湖を移動。高齢者や障害のある有権者の元へかけつけ、自宅投票所も作る。更に僻地を目指してヘリコプターに乗り、空を飛ぶことも。まさに陸海空の戦術で、世界最大の選挙の民主主義を支えている。インド国民の選挙に対する意識について伊藤教授は「選挙管理委員会の人達は公正な選挙の実現のため現場で身を粉にして役割を果たしている」、「インド人は街中でも政治家の話で盛り上がるほど政治好き。政治家を映画のヒーローの様に捉える人もいて、国民それぞれに推しの政治家がいる」などコメントした。