先月、初めての選挙集会で、20年以上にわたる検察官の経歴をアピールしたハリス氏。不倫の口止め料をめぐる裁判で有罪評決を受けたトランプ氏との戦いを「検察官」対「犯罪者」という構図に持ち込みたい狙い。ハリス副大統領は西部カリフォルニア州出身で、検察官時代の多くをここサンフランシスコで過ごした。サンフランシスコ市の法律顧問を務めるデビッド・チューは、約26年前、検察官としてハリス氏とともに法廷に足を運んでいた。2003年にはサンフランシスコ地区検事選挙に出馬し当選。在任中には有罪率を52%から71%に押し上げるなど、手腕を発揮した。カリフォルニア州の司法長官として臨んだサブプライム問題では、住宅の差し押さえを不正に進めた金融機関と渡り合い、他の州とともに和解金として250億ドル以上の巨額を引き出すなど、タフな交渉でも実績を残している。一方、トランプ陣営はハリス氏の弱点とされる不法移民問題に絡めるなどして「犯罪者に甘い」とする批判を展開している。来月10日にはトランプ氏との討論会に。元検察官の経歴を生かし、どう攻めるのか全米が注目している。