ハリス氏はペンシルベニア州で主要産業だった鉄鋼業の労働者に「私は常にアメリカの鉄鋼労働者に寄り添います」と語りかけた。ペンシルベニア州は長年労働者を支持基盤としてきた民主党の牙城となっていたが、製造業などの国内産業が衰退し白人労働者層の間では不満がくすぶっていた。2016年の選挙でトランプ氏が労働者の不満をすくい上げ、民主党は敗れた。今回もトランプ氏はペンシルベニア州でアピールを繰り返し、自分こそが労働者の味方だと強調した。民主党の経済政策を批判するトランプ氏に対し、ハリス氏も批判のトーンを強めるようになった。民主党陣営はペンシルベニア州の大学生が多く住む地域で集中的に訪問活動を行い、中絶の権利を擁護する方針を強く打ち出していることを伝えて支持を訴えた。ウォール・ストリート・ジャーナルが行った調査では、トランプ氏が経済やインフレなどの課題に適切に対処できると評価されているのに対してハリス氏がリードしていたのは中絶と社会保障にとどまっていた。