トランプ次期政権の不法移民対策。政策担当の次席補佐官への起用が発表されたスティーブンミラー氏は前のトランプ政権で上級顧問を務めトランプ氏のスピーチライター。去年11月のニューヨークタイムズの記事の中で、施設を建設し不法移民を強制送還するまで収容する計画を明らかにしている。国境管理の責任者への起用が発表されたトムホーマン氏は前のトランプ政権で移民関税執行局の局長代行を務めた。先月放送されたCBSのインタビューで労働現場で強制捜査が必要となるという考えを明らかにした。不法移民の中には中南米の国々から治安悪化などを理由に入国を希望する人たちがいる。その他、米国国内にはすでに1100万人以上の不法移民が暮らし、5分の4はすでに10年以上、米国に滞在しているとされている。バイデン政権下では法的な手続きを経ずに国境を越えてきたばかりの人や、安全保障や治安を脅かす不法移民が主に強制送還の対象となってきた。一方、ホーマン氏は「強制捜査を行って滞在許可を持たない高齢の女性が家の中にいるのが見つかった場合は逮捕されるのか」と聞かれたのに対し「状況による。裁判官の判断に委ねる」と答えた。トランプ氏は送還作戦を行う理由の一つに不法移民による犯罪の増加を挙げているが、ロイター通信は「さまざまな調査の中でも米国市民に比べて移民の犯罪率が高いというデータはない」と伝えている。トランプ氏は選挙期間中、「DACA」のもと暮らす人たちの強制送還も排除しない考えを示してきた。トランプ次期政権は議会上院下院ともに共和党が多数派になるのに加えて連邦最高裁判所もトランプ氏が前政権中に保守派の判事を盛り込んだことで保守派が多数派となる中で発足する。