テーマ「GDP5%達成の意外な要因と今後のカギ」について岡三証券の久保さんが解説。中国の去年のGDP国内総生産の実質成長率は前年比5.0%のプラス。各機関の予想を上回り5%の大台を達成した要因を探る。上海、香港共に年初から相場は良くなかったがトランプ大統領が宣言していた就任直後の中国への追加関税の即時発動が見送られたことでマーケット関係者には安ど感が広がった。昨日は香港ハンセン指数は上昇した。中国初の人工知能ディープシープがマーケットで好感されて香港ではアリババなどのハイテク株が上昇した。香港ハンセン指数はおよそ1カ月ぶりの高値を付けている。来月の予想レンジは上海総合指数は3100〜3200pt、香港ハンセン指数は19000〜20000pt。来月初めの追加関税をはじめとしてトランプ大統領を中心とする世界的な保護主義への警戒感が株価の上値を抑える一方で3月の全人代で景気支援策が発表されるとの期待感から下値は限定的となるなど上海から伝える。また中国・上海。去年1年のGDP国内総生産の実質成長率が前年比5%+。政府が目標に掲げていたのは5%前後。様々な機関が4%台の予想を出していた。第4四半期に追い込んだ。世間一般では中国景気に対する不信感、悲観が強かった。第3四半期には4.6%だったので第4四半期に一気に急回復した。第3四半期の4.6%から0.8積み増せるかどうかが重要だった。内訳をみると最も貢献したのは不動産。GDPの押し上げ効果は0.23%。前代の4分の1以上を占める。去年9月に政府は不動産の購入制限撤廃や頭金率の引き下げやローン金利の引き下げなど不動産販売支援策を打ち出した。GDPに占める割合は5.9%とそれほど多くない。住宅のローンや建設などすべてを含めるとGDPの2割程度。不動産業界は在庫消化で建設を絞りながら販売を強化している。販売の回復が全体を押し上げた。次は鉱工業0.2%。国内の家電や自動車の買い替え支援をはじめとする消費支援策などに加えて国外ではトランプ関税前の駆け込みなど様々な要因で加速した。後半は不動産が再びカギになる。不動産販売面積は11月からプラスに転じる。不動産価格は今年の夏ごろには全国平均でプラスに戻る。政府が2件目の家を買う際に頭金率を引き下げたことが要因。以前は2件目の家を買う際に頭金率30%が必要だったが9月に15%に引き下げた。その結果、大量に家を購入した。しかし、このような客はいずれ枯渇する。中国当局は追加の支援策を行うことが可能。2件目の家を購入する時に頭金をゼロにするなど。1件目も15%からゼロにする。中国は今年5か年計画の最後の年。景気支援には力を入れてくる。不動産が下振れれば対策をする。去年12月には半導体が前年比↑18%、工業用ロボットは↑70%。中国政府は特にロボット産業に力を入れる。集積回路も家電、スマホなどの需要増加を反映している。今年もハイテクを中心に生産は増える。中国では年明けからスマホなどを買い替え支援策の対象に入れている。今年は産業高度化政策の中国製造2025年の最終年。EV、国産旅客機、宇宙ステーションでは大きな成果が出ている。今後は半導体、ロボット、AIに力を入れるなど中国のGDPについて久保さんは説明をした。