アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)が4会合ぶりに利下げを見送った先月の会合の議事録が公表された。参加者たちは政策の調整を決める前にインフレ率のさらなる低下を確認したいとして利下げを急がないという認識で一致していたことが分かった。FRBは先月開いた金融政策を決める会合で経済活動は底堅いペースで拡大し失業率もこの数か月間低い水準だとしたうえでインフレ率はいくぶん高い状況が続いているとして政策金利を据え置いた。利下げを見送るのは去年7月以来4会合ぶりだった。公表されたこの会合の議事録では参加者たちが労働市場の堅調さが続くかぎり政策の調整を決める前にインフレ率のさらなる低下を確認したいとして利下げを急がないという認識で一致していたことが分かった。またインフレ率の上振れリスクとしてトランプ政権の政策を念頭に貿易や移民政策が変更されることによる影響などを挙げていた。アメリカでは先月の消費者物価指数の上昇率が4か月連続で拡大するなどインフレの根強さが指摘されている。こうした中でトランプ大統領が打ち出すさまざまな関税が輸入物価の上昇を通じてインフレを再加速させる可能性も指摘されている。