みずほ証券・丹治倫敦の解説。トランプ政権が各国に対し大規模な関税引き上げ政策を発表。世界的な株安、為替はドル安主導の展開。丹治さんは「金利市場はこの関税の影響が最も見通しづらい市場の一つだと思っている。金利の上昇と低下、双方の力がかかる。関税をかけた国にとっては輸入コストが上昇する。それが販売価格の上昇を通じてインフレ要因となる。インフレ上昇は中央銀行にとって利上げ要因となるので金利上昇要因。景気に着目すると関税をあげた国によるとコストが増え企業利益が圧迫されたり、消費が下振れたり影響が出る。中央銀行の利下げ圧力、債権への逃避需要で金利低下要因となる。今回、関税を最初に引き上げたのはアメリカだがただ実際には各国報復関税の応酬が想定されるのでグローバルにインフレ上昇と景気悪化という力がかかる中で金利への影響というのはその綱引きという形になっていくのではないか。現状マーケットは金利低下方向の力の方が強くなりそうという見方をしている。関税発表直後、アメリカの金利は低下した。日本の場合は一つ注意が必要なのは、政府が報復関税を実行する可能性が比較的低く、インフレの上昇圧力は関税を引き上げた国にかかるので報復関税をしないとなるとアメリカと比べ金利低下方向の力により偏りやすい。今年1-3月は米金利が低下するなかで日本の金利が上昇することが起きた。日米のデカップリングが進んでいる。トランプ大統領が相互関税を発表した直後は両国金利が下がりつつデカップリングが縮小する方向に動いている。日本のほうがより金利低下に偏りやすい。目先注目したいのが株価の動向。日銀は昨年8月に利上げの姿勢を弱める局面があった。マーケットが不安定なことを理由にした。マーケットは昨年8月に近づいている。日銀が利上げ姿勢を後退させることがあれば金利低下要因になる」などと述べた。トランプ関税に対する日本政府のリアクション例、財政拡張は金利上昇。円安是正は金利上昇、関税引き下げは金利低下。丹治さんは「政府の反応次第ではちょっと日本の金利には上昇圧力、上昇要因になる可能性もあるということは注意が必要ではないか」などと述べた。