参議院では主に衆議院に取り残されていた課題が議論となった。例えば、父母の合意なしに家庭裁判所の判断で共同親権にならないか、家庭裁判所がDVや虐待のおそれを見抜けるかなど。しかし、質問者が納得できる解決策が示されたかというとそうとは言えない状況だった。離婚後も子供の利益のために協力することが法案に盛り込まれたのは意義があるという受け止めもある。ただ、審議の中で度々議論が生煮えだという指摘も聞かれ、残された課題が少なくないと思われる。改正案はきょう成立する見通し。今後、国はいかに関係者の不安に寄り添いながら制度を運用できるかということが求められる。また、2026年までに制度が開始することになる。DVなどへの不安解消はもちろんだが、運用面で大きな役割を担う家庭裁判所の体制強化が強くなる意見も強くある。それと同時に子供へのフォローや支援のあり方を検討することも不可欠。附帯決議に盛り込まれた通り、実態に合わなければ制度の見直しの検討も求められる。