きのうも夕方、埼玉県などで落雷が断続的に起きたが、そもそも関東ではこの夏、いつもの年よりも雷が多く発生している。民間の気象会社によると今月に入ってからきのうまでに1都6県で観測された落雷は合わせておよそ5万4900回、これは過去10年間の8月1か月間の平均をすでに上回っている。全国で見るとむしろ平均値よりやや少なくなっているが関東での増加ぶりが目立っているという状況だ。背景には気温の高い日が続いていること、そして暖かく湿った空気が流れ込んでいることがある。夏に日本列島を覆う高気圧だが、ことしは西への張り出しが弱い傾向で、高気圧の縁を回る形で南から関東付近に湿った空気が流れ込みやすくなっている状況になっている。専門家は来月にかけても落雷に注意が必要だと指摘している。落雷で大けがをしたり亡くなったりするケースもしばしば起きている。雷の音が聞こえたらもうすでに危険な場所にいると考え、まず第一に頑丈な建物、それから車の中に避難する、これが第一となる。ただし自宅などにいるときでも注意が必要な点がある。落雷した際に電柱の電源線通信ケーブルなどから伝って屋内に流れ込んでくると電化製品を故障させることがあるが、こういったときに人が触ると感電することもあるということで近くが雷になっている場合は電化製品からは1メートル以上離れていると安心だという。一方で屋外での行動だが、木の下での雨宿り、これは非常に危険。落雷のおそれがあるときはできるだけ屋外に出ずそして建物の中でやり過ごすというのが最大の安全策ということだ。防衛大学校・小林教授は気象庁の雷ナウキャストなどを見て落雷の危険性をチェックして雷が去るまでは外出を控えることも考え予定の変更もためらわないでほしいと話していた。