インドで先月、歴史的なイスラム教のモスクの跡地にヒンドゥー教の寺院が建設され、モディ首相が完成を祝った。寺院が建てられたアヨーディヤはヒンドゥー教の聖地とされてきたが、16世紀にムガール帝国がモスクを建設したことから、長年ヒンドゥー教徒とイスラム教徒の間でどちらの土地かをめぐって論争となってきた。1992年にはヒンドゥー教徒がモスクを破壊したことをきっかけに暴動となり2000人近くが死亡する事態となった。モディ首相は「新たな時代の幕開け」とスピーチしヒンドゥー教徒寄りの姿勢をアピール。モディ首相は4~5月の総選挙でヒンドゥー教徒の支持を固めるねらいがあると思われる。野党は宗教の政治利用だと批判しており、インドの分断と対立の火種として不安要因になりかねない状況。