一昨日、海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」が初めて台湾海峡を通過した。これに伴ってオーストラリアやニュージーランドの艦艇も通過する形となった。今回の台湾海峡通過を指示したのは岸田総理とみられている。これを受けて中国外務省の報道官は、昨日の定例会見で「越えてはならないレッドラインだ」と日本に抗議したことを明らかにした。台湾海峡についてアメリカなどはどの国の地域の領海にも属さない「国際水域」だと位置付けており、アメリカの軍艦が定期的に通過するなど「航行の自由」をアピールし続けている場所でもある。一方で中国は「国際水域」の立場に反対の意向を示しており、主権・管轄権を中国が持つと主張し続けている。これまで日本は中国側の反発を考慮して海上自衛隊の艦艇の台湾海峡通過を控えてきたが、日本周辺で中国の軍事活動がエスカレートしてきている状況を受け、言葉だけでなく態度で懸念を伝えようとしたとみられている。ただ「さざなみ」は攻撃能力の高いものではなく、懸念とともに「攻撃を仕掛ける意図はない」ことも示したかったとみられている。