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「ニティシュ・クマール」 のテレビ露出情報

日本経済新聞・山田剛の解説。「モディ政権の命運握るベテラン2人、発言力増す地方政党」。先月のインド総選挙では与党連合は勝利したが議席数を大きく減らした。インド人民党単独では議席過半数が取れなかった。連立政権に加わった地方政党の影響力が強まる。地方政党は立場を利用して政策に注文を付けてきそう。選挙で農民票が野党に流れたという反省から今まで以上に農村部にテコ入れをしていきたい。連立政権内部からプレッシャーをかけてきそうな2人のベテラン政治家、ニティシュ・クマール氏とN・チャンドラバブ・ナイドゥ氏。ニティシュ・クマール氏は鉄道大臣や農業大臣などを務めた人。9回にわたって州首相に就任している。今回の選挙では直前に野党から与党連合に寝返った。N・チャンドラバブ・ナイドゥ氏は5年前の総選挙では野党連合の結成を仕掛けていた。失敗して自身も州議会選挙で敗北。今回は5年ぶりに州の首相に復帰。大ヒット映画「RRR」で主演した俳優の叔父にあたる。2人とも開発が遅れている州に財政支援や減税などを盛り込んだ特別措置を要求。イスラム教徒が被差別カースト民が支持基盤。イスラム教徒に厳しい政策に対しては見直しを要求してくる可能性がある。2人が率いる地方政党は連立を離脱するとモディ政権は崩壊の危機に瀕する。
外からのプレッシャーは農民や農村部の大きな不満をいかに解消していくか。最大与党・インド人民党は農村部で前回より50近く議席を減らした。種や肥料などの値段が上がっているのに農産物の価格があまり上がらないことに対し2020年以降、抗議デモを繰り返している。今年2月にもインド北西部で農民と警官隊が衝突して5人が死亡。新農業法は農民に農産物の買い上げ制度が廃止されるのではとの疑心暗鬼が広がり法律そのものが廃止された。非差別カーストの票が野党に流れた。指定カーストに割り当てられた選挙区ではインド人民党の議席は前回の3分の2。農民などに多い下から2番目のカーストも多くが野党に投票。モディ政権は巨大なヒンズー教寺院を相次ぎ建設するなど政策で宗教を前面に出してきた。インド有権者によると穏健なヒンズー教徒は宗教色の濃い政策やイスラム教徒に厳しい政権運営には反発。インドはかねてから欧米諸国から信教の自由について批判されている。米国議会ではインドは要注意国に指定すべきとの決議案もある。インド人民党もヒンズー教団体・民族義勇団との距離を置こうとしている。宗教がらみで幹部が差別的な発言をするため有権者から信頼を失っている。
第3次モディ政権は財務、外務、内務大臣、商工大臣や道路交通大臣といった主要閣僚がほぼ留任している。電気自動車、半導体など製造業の振興政策、インフラ建設主導の成長戦略、米国や日本との外交関係、中国への厳しい姿勢などの政策は変わらない。政府が農村部や農業対策を優先するのはほぼ確実。財源の多くは農村のインフラ、肥料、食糧への補助金などに使う。2024年度の雨期の農作物買い上げ価格は上昇し5~6%。短期的な経済成長よりインド政府は農村や貧困層対策に重点を置くことになる。

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