2つ目に紹介するのは同じく父と娘の物語「ブリーディング・ラブ はじまりの旅」。父親を演じるのはユアン・マクレガー、娘を演じるのは実の娘であるクララ・マクレガー。離婚を機に長い間疎遠だった父と娘。ある出来事をきっかけに父は娘をニューメキシコ州へ向かう旅に連れ出す。この旅でなんとか関係を修復したいと考える父。しかし妻と娘を残して家を出た後ろめたさもあり、どうすれば溝を埋められるのか分からずにいた。娘は父との美しい過去を思い出しながらも自分を捨てた父を許すことができず反発してしまう。アルコールとドラッグに依存する娘、実は父もかつて同じ問題を抱えていた。近藤さんはこの映画のポイントを「まるでドキュメンタリー」と挙げ、「ユアン・マクレガー自身が実生活で長年連れ添った妻と離婚し、娘のクララと疎遠になってしまった時期が実際にあった。この作品の脚本はユアン・マクレガーがクララとの親子のあいだにあった問題や思い出を同世代の女性脚本家らと一緒に紡いだ物語。ユアン・マクレガー自身がこの脚本を初めて読んだ時に、『実際のことではないが、自分たちのことを感じられる内容だった』と語っていて、実際に親子が演じているのでほんとうにドキュメンタリーを見ているような作品になっています」などと説明した。