米国大統領選挙。ハリス副大統領とトランプ前大統領のテレビ討論会。米国の多くのメディアは、ハリス氏が優勢で、トランプ氏は防戦に回ったという見方を伝えている。ハリス氏は、口ごもったりすることもなく、ジェスチャーや表情も豊かで、6月の討論会でのバイデン氏とは対照的だった。さらに、印象的だったのが目線。トランプ氏を批判するときには、トランプ氏のほうを見る、理念や夢など、前向きなことを語るときには、カメラ目線で、有権者に直接訴えかけることを意識していることがうかがえた。ただ保守系のメディアの中には、トランプ氏が優勢だったという調査結果を紹介しているところもあった。討論会の焦点は、どちらが大統領らしさをより明確に有権者に印象づけられるかだった。ハリス氏は大きな失敗なく乗り切ったものの、批判的な質問に対しては、かわして、正面から答えない場面が少なくなかった。政策面についても、ビジョンや目標を語るものの、具体性に欠けていた。トランプ氏も、みずからが大統領だったときの実績のアピールや、ハリス氏の批判に多くの時間を割いていた。一方で、自分が大統領に返り咲いたあとの政策や、その実現の方法についての説明は少なかった。