ドジャース・大谷翔平選手の激動のシーズンを振り返る。今年、飛躍的に向上したのが盗塁の技術。大谷がメジャーリーグ7年目で初めて出場したプレーオフ。5戦目までもつれ込んだパドレスとの激戦を制し、地区シリーズを突破。歓喜の輪に加わった。夢のワールドチャンピオンへ大きく前進。大谷はレギュラーシーズンで数々の記録を更新。活躍の舞台裏をメジャーリーグ取材歴30年の敏腕記者が徹底取材。シーズン開幕前の今年2月に飛び込んできた衝撃のニュース。突然の結婚発表。相手は元バスケットボール選手・真美子さん。日本はもちろん海外からも祝福。新しい家族とともに歩み出した今シーズン。過去2度の月間MVPを獲得した6月に大爆発。その裏にあったのがルーティン。同じ構えで同じ位置に立つルーティンを始めてから一気に9ホームラン。6月だけで12本のアーチをかけた。7月は4回目の出場となったオールスターゲーム。レッドカーペットショーでは真美子とツーショットを披露。試合ではオールスターでは日本人初となる柵越えホームラン。8月には愛犬デコピンが始球式に登場。さらにデコピンは大谷のスパイクにもなった。愛犬スパイクで盗塁に成功。今シーズン盗塁数が激増したのはもちろんデコピンパワーだけではなくある秘密があった。大谷は2021年の26盗塁がシーズン最多だったが今シーズンはその倍以上の59盗塁をマーク。一塁コーチとして大谷を見守るマッカラーコーチをメジャーリーグ取材歴30年の笹田記者が直撃。そこから見えてきたのは2つの要因だった。成功する根拠がない盗塁はしない。ピッチャーがキャッチャーへ投げる時間とキャッチャーが二塁へ送球する時間、これを足して自分の二塁到達タイムと比較している。そして試合前の準備のほかにもう1つの要因。今シーズン59盗塁のうち16個はキャッチャーが送球すらできない完璧な盗塁を決めている。大谷の優れた点は塁上での観察力。投手がけん制するのか投球するのかを試合中に見抜き盗塁へと生かしている。今シーズンの盗塁成功率93.7%は、50盗塁以上をマークした選手の中で歴代2位の記録。1位・M.キャリー。メジャー取材歴30年・笹田幸嗣記者のコメント。卓越した盗塁の技術を手にした大谷は、50盗塁に到達した9月20日のマーリンズ戦。メジャーの歴史に新たな金字塔を打ちたてる。史上初の大記録、50−50を達成。大谷はレギュラーシーズン、ホームランと打点の二冠王に輝くとともに日本人初のトリプルスリーも達成。今までは投手と打者の二刀流だったが、そこにランナーとしての盗塁技術も加わり、まさに三刀流へと成長。あすからはナリーグ優勝決定シリーズ。