最新研究から出アフリカの意外な要因がわかってきた。出アフリカが起きる前に一部の祖先のVMAT1遺伝子が変化し、不安を感じにくい新しいタイプが現れたことがわかった。出アフリカを経て広がった世界各地の民族では不安を感じにくいタイプが増え、その割合はアフリカから離れるほど多くなる傾向が明らかになった。東北大学の河田教授は、不安を感じにくい人たちがパイオニアになったのではないかと話した。恐怖の記憶に関する遺伝子の変異も見つかった。恐怖の記憶も未知の世界に対する不安につながる。イェーナ大学病院のライナー博士は、恐怖を記憶する脳の仕組みが弱まったことで人間は未知の世界への挑戦を続けられる生き物になったと話した。今人間が新天地への移住を目指している背景にも、不安を感じにくい遺伝子の働きが影響している可能性がある。ただ出アフリカでは不安を感じにくい人とともに不安を感じるタイプの人も世界に広がった。心理学者のトレイシー教授は、祖先が出アフリカを果たし世界中へ広がることができた理由の一つは未来を想像し危機に備えることを可能にした不安の力にあると話した。
