早稲田大学ビジネススクール・長内さんは「ニンテンドーミュージアム」について、「経営学者の視点で見るとこの施設は単に楽しい施設というわけではなく、任天堂のゲーム事業の特徴である『持っている強み・持たない強み』に触れることができるものづくりの資料館としても大変興味深い。任天堂は花札やトランプなどのカードゲームから始まった会社。電子ゲームは1970年代の後半に三菱電機との共同開発で最初のゲーム機を発売。その後80年代に『ゲーム&ウォッチ』や『ファミリーコンピュータ』の大ヒットによりビデオゲーム業界の主要プレーヤーになった。任天堂のゲームから生まれた『マリオ』や『ゼルダ』などのキャラクターは世界中で愛される任天堂が持っている強み。ゲーム機メーカーはエレクトロニクスの経験が長い企業が多いが、任天堂はカードゲームの会社でエレクトロニクスを内部に持っているわけではない。任天堂が特定の特定の技術領域にこだわらずに済んだことが自由な発想をもたらし、任天堂の強みになった。ソニーがプレイステーションで自前の技術でゲームの機能的な勝ちを高めていったのに対し、任天堂は他社との協力によりWiiで行ったような体験・感覚的な面白さなどユーザーの意味的な価値を重視していると言える。新しいミュージアムでそうした任天堂の多様性に溢れたものづくりの歴史などにも触れられると良いと思う」と話した。
住所: 京都府宇治市小倉町神楽田56
URL: https://museum.nintendo.com/
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