続いては東京・町田市。JR横浜線・成瀬駅から徒歩約5分、平成6年創業の「ホームデリカ TAICHI」。ハムとソーセージがメインの専門店で、肉の加工品が約30種類。客の8割が買うという町のソウルフードが「成瀬ギョーザ(腸詰)」。見た目はウインナーだが、中には豚肉・ニラ・ニンニクなどの香味野菜がぎっしり。ギョーザのタレも付いている。1日に約1000本売れる。贈りものやお取り寄せとしても人気。生みの親は創業者・佐々木正二さん、妻・光江さん。息子で2代目の太一さんが味を守っている。店の前身は昭和47年に開業した都内の精肉店。平成に入ると、売り上げが低迷。平成6年に成瀬駅の近くで再出発し、ソーセージ&ハムの専門店を開業した。精肉店で人気だったギョーザを販売すると、「上手に焼けない」「焦がしてしまった」という声が。目指したのは失敗しないギョーザ。羊の腸に具材を詰めてみたところ、手応えが良かった。平成11年、成瀬ギョーザとして売り出した。これなら簡単に焼けると人気になり、町のソウルフードになった。使用するのは国産の豚ひき肉。ニラ・キャベツ・ニンニクを加えて手作業でこねる。その後、羊の腸に詰めていく。長さは5m以上。これをねじって10cmほどに整える。仕上げに燻製機で1時間半ほど加熱して完成。多くの人に知ってほしいと思い、2代目の太一さんは公園での移動販売など新たな試みも始めている。地域の人に愛されて25年、すっかり町に根付いている。