ASEANと日本などが参加する一連の首脳会議がラオスで始まった。初日はASEAN加盟国だけの会議が行われ、ミャンマー情勢や南シナ海を巡る問題について議論が交わされた。2021年のクーデターで軍が実権を握ったミャンマーはこれまで代表の派遣を見送ってきたが、今回約3年ぶりに参加した。軍と民主派勢力などとの戦闘で今も国内では混乱が続いている。会議では各国がミャンマーに対し、ASEANが3年前に合意した暴力の即時停止など5つの項目を改めて履行するよう求めたという。フィリピンなどと中国の間で領有権争いのある南シナ海の問題では、議長声明の文言を巡って意見が対立しているという。ASEANの外交筋はNHKの取材に対し、フィリピンなど中国と領有権を争う一部の加盟国が抗議を強める中、中国と経済的なつながりが強いラオスやカンボジアにどこまで支持が広がるのか不透明だとの見方を示している。また米中対立を背景に加盟国の間では足並みの乱れも指摘されており、ASEANの求心力低下を懸念する声も上がっている。明日は中国・李強首相が出席し、ASEAN加盟国との首脳会議が予定されている。南シナ海問題を巡る議論でASEANが一致した行動を示せるのか問われている。