北極海の氷の融解が進んでいることで重要な天然資源を含む北極圏は戦略的な関心の対象になっている。約10か国が北極圏に接しており、ロシア・アメリカ・カナダだけでなく、ノルウェー・スウェーデン・フィンランドなども。ロシアは北極圏に軍事力を展開している。北極圏の近くに新たな基地を開設し、宇宙ステーションのような役割を果たしているとしている。また、冷戦の後で閉鎖していた基地も復活させた。研究者は「氷の融解で長年天然のバリアとして国境を守ってきたものが無くなることになり、特にロシアはそのために北極圏地域の再軍備化を始めている」と指摘。NATOはロシアの北極圏における再軍備を脅威と捉えている。ウクライナへの侵攻後は尚更でNATOも北極圏でのプレゼンスを強めている。米・トランプ大統領はグリーンランドを領有しようとしている。アメリカが領有しないと中国やロシアに占拠されてしまうと主張している。背景には北極圏の埋蔵資源を巡る戦いがある。氷の融解で膨大な埋蔵量のガス・石油や重要鉱物資源の採掘も容易にしている。中国はロシアに協力して資源の採掘に参加している。湊やインフラに投資するだけでなく、調査団を北極圏に派遣しており、西側諸国に不信感を生んでいる。研究者は「調査団の存在は一見無害に見えて実は軍事目的を帯びるかもしれない。従来から協力し合って環境の変化に敏感な北極圏を守ってきたカナダ・アイスランド・ノルウェーなどの国々は大国間の露骨なせめぎ合いに引きずり込まれている。北極圏は地政学上のホットスポットになりつつある」と指摘した。
