米国大統領選挙は投票日まで2週間。ハリス副大統領とトランプ前大統領の異例ともいえる接戦が続いている。ここにきて最新の各種世論調査では、7つの激戦州すべてで僅かながらトランプ前大統領が上回っている。最終盤になり、両者とも激戦州での支持を広げようと総力を注いでいる。トランプ前大統領への支持を表明している、実業家・イーロン・マスク氏は、みずからの署名活動に参加した激戦州の有権者を対象に抽せんで約1億5000万円を配ると明らかにした。当選の様子は選挙コマーシャルに。ただ複数のメディアによると、投票などの見返りに報酬を支払うことは、連邦法に違反するということで物議を醸している。周辺が何かと話題になっているトランプ前大統領は21日、ハリケーンで深刻な被害が出た南部ノースカロライナ州を訪問した。トランプ前大統領は「ホワイトハウスは、いい人材を使って、もっといい対応をするべき」と述べた。前日には、ペンシルベニア州の大手ハンバーガーチェーンの店舗を訪れ、中間層にアピール。誕生日のハリス副大統領は、南部ジョージア州の教会で開かれた選挙イベントに出席し、歌手・スティービー・ワンダーから歌が贈られた。60歳のハリス副大統領は、78歳のトランプ前大統領と比べ、若さをアピールしている。今月には自身の健康状態について「大統領に求められる肉体的、精神的な強さを備えている」とする主治医の所見を公開。トランプ前大統領は診断結果の詳細を明らかにしていないと批判。ハリス副大統領は「トランプ前大統領は、疲れを理由にメディアのインタビューを断っていると聞く。選挙活動で疲れ切っている人に大統領の仕事が務まるのか」と語った。21日には、ペンシルベニア州で対話型の集会を開き、党派を超えた支持を呼びかけた。投票日まであと2週間。全米を対象にした各種世論調査(リアルクリアポリティクス)の平均では、ハリス副大統領がトランプ前大統領をリードしているが、その差は0.9ポイント。一方で、選挙の結果を左右するとされる7つの激戦州での支持率は、トランプ前大統領が1.1ポイント高くなった。7つの州すべてでトランプ前大統領が僅かに上回っている。