日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)が今年のノーベル平和賞に選ばれたことについて海外の反応。79年前、広島・長崎に原爆を投下した米国は国務省の報道官が11日、声明で祝意を示し「核戦争を防ぎ核軍縮を進めようと取り組んできた被爆者の努力に報いたものだ」と称賛した。同時に「今回の受賞を機に核兵器のない世界に向けた取り組みを強化すべきだ」と強調。米国以外の核保有国にも行動を呼びかけた。ただ、バイデン政権は核戦力維持の方針を示していて、「先制不使用」の考えを核戦略に盛り込むことも見送っている。一方、日本被団協の選出理由では「現在進行中の戦争で核兵器を使用するという脅しも行われている」と指摘されているが、ロシアでは国営メディアが相次いで速報で伝えたものの、選出された背景などには踏み込まなかった。プーチン大統領は先月下旬、核兵器使用の基準を定めた「核ドクトリン」の改定案を示し、「ロシア領内へのミサイル攻撃などの情報を入手した場合でも核の使用に踏み切る可能性がある」としている。また、広島と長崎では韓国の人々も多数被爆したが、2歳のときに広島市内で被爆した韓国の被爆者団体のメンバー・沈鎮泰さんは「被害団体が受賞したのは良いこと」と評価。「韓国でも被爆者への支援があれば活動を活発にできる」と述べている。そのほか、国連のグテーレス事務総長も祝福する声明を出し「世界の指導者たちは被爆者のように冷静な目を持ち核兵器が死の装置であることを理解すべき」と警鐘を鳴らしている。