学習帳の表紙を長年撮影してきた昆虫植物写真家で2022年に亡くなった山口進さんはインドネシアスマトラ島で世界最大級の花、ショクダイオオコンニャクの開花の様子の全貌を捉える世界初の撮影に挑戦。高さ2.6メートル、直径1.5メートルまでに広がり蕾が開ききるまで約7時間要した。ブラジルアマゾン川では山口の憧れだったオオオニバスの上に乗って体験。インドネシアジャワ島でのハナカマキリの撮影ではハナカマキリが口から虫を引き寄せる化学物質を発していたことを突き止めた。
山口は生き物同士のつながり”共生”をテーマに撮影に臨んだ。メキシコに自生するバケツランはにおいでハチをバケツに誘い込み、バケツから脱出する際に花粉がハチの背中について別の花に運ぶ。オーストラリアに自生するランの仲間、ハンマーオーキッドはメスのツチバチの姿そっくりに似せてハチに花粉を運ばせる。