レバノンでの停戦合意が発効した。レバノンにとどまらずガザ地区で今すぐにでも停戦になることが求められている。米国・バイデン大統領はレバノンの停戦を仲介したが、ガザ地区についてもトルコ、カタール、エジプトなど関係国と協力して停戦の実現に向けて働きを強めるとしている。バイデン政権の任期は残り2か月を切っているが、政権の最後の重要な仕事の一つと見ていると伝えられている。ただ、レバノンの停戦が直ちにガザの停戦に結び付くのかそれは簡単ではない。ネタニヤフ首相はヒズボラとの停戦を承認した理由として、「これによってイスラエル軍にとって余裕が生まれる」と述べている。ネタニヤフ首相が政権を維持するために連立を組む極右政党は最後は、ヒズボラとの停戦には反対しなかったが、ガザ地区の停戦についてはより強硬に反対している。さらに、ネタニヤフ首相はガザでの戦闘が今後、終われば去年10月のハマスによる奇襲攻撃を許した失態の責任を一層、問われることになりかねない。みずからの汚職疑惑を巡る裁判も進行中。今の危機的な状況が続くことが政治的な生き残りのために好都合と考えているのではという指摘もある。この他、ハマスは依然、強硬な主張を繰り返している。