16日、中国を訪れたロシアのプーチン大統領。通訳だけを交えて庭園を散策し、お茶を飲みながら会談する様子があった。濃密な時間を過ごし、別れ際にハグを交わした時、すでに辺りは真っ暗だった。翌日にはハルビンで両国の企業が出展する博覧会を視察。中国との経済関係強化の思惑が透けて見える。習近平国家主席が順に握手しているのはロシアのエネルギー企業のトップたち。そしてキーパーソンと見られるのが火曜日に任命されたばかりのベロウソフ国防相。学者出身の経済官僚で、去年中国とロシアの投資協力に関する会合で議長を務めていた人物。畑違いの人物を国防相に据えた異例の人事にはウクライナ侵攻で中国に頼らざるを得ない事情がある。例えばロシア軍が使っているオフロード車。欧米の制裁で車の生産が落ち込む中、中国から輸入したもの。中国頼みが強まるロシアだが、ここへきて中国側に微妙な温度差があることを専門家は指摘している。米国がロシアとの貿易に関わる中国の銀行などに対し制裁をちらつかせていて、その脅しが効いているという。蜜月関係の裏で見え隠れする中露の思惑のズレ。今後どのような影響を及ぼすのか。