19世紀、かの有名な発明王、トーマス・エジソンが改良を加え実用化に至った白熱電球。それから約140年ものあいだ世界中の家庭に明かりをともしてきた白熱電球だがアメリカではその役目を終えようとしている。今月1日、アメリカのバイデン政権はエネルギー効率の高い電球を普及させるため白熱電球の販売を禁止した。新規性では消費電力1Wあたりの明るさが45ルーメン以上なければいけないが、白熱電球は15ルーメンほど。アメリカのエネルギー省は今回の規制により今後30年間でCO2排出量を2億2000万トン減らせるとみている。これは2800万世帯分の年間排出量に相当するという。実はこの規制の検討はブッシュ政権時代に始まっていた。2007年、当時のブッシュ大統領は白熱電球などを減らしていく法律を制定。オバマ大統領時代には白熱電球のほかシャンデリアに使われるキャンドル型の電球などを段階的に禁止する方針を示した。だが政策はトランプ大統領によって覆された。2019年、当時のトランプ大統領は価格などを理由に反対。エネルギー省は規制を撤廃した。しかしエネルギー政策に前向きなバイデン氏が大統領になると再び方針が反転。去年4月、白熱電球禁止の規制を発表した。来年にはさらなる規制強化も検討されており、電球型蛍光灯も禁止となる可能性があるという。