- 出演者
- 池上彰 宇賀なつみ 坂下千里子 伊集院光 チャンカワイ カズレーザー 大友花恋 藤原丈一郎(なにわ男子)
今回は10年前と今を比べる。10年前はアナと雪の女王が日本で公開され大ヒット。日本エレキテル連合の「ダメよ~ダメダメ」が流行した。渋谷の街は10年で高層ビルだらけにいなった。ワイヤレスイヤホンが多いが10年前は有線が普通だった。SDGsという言葉もなくレジ袋はタダ。多様性や働き方改革に関心が薄かった。今はネットで見放題のサブスクが利用されているが10年前はまだレンタルする人が多かった。外国人観光客も少なかった。
10年前は東京オリンピックの開催が決定した。ソチ冬季五輪では羽生結弦選手が金メダルを獲得した。今やロシアで国際大会を開ける状況ではなくなった。10年前はまだガラケーが多数派で、デジカメが活躍していた。SNSは今ほど普及しておらず、TikTokはまだなかった。当時最先端のSNSはインスタグラムで、日本語版がリリースされたばかり。ナイトプールの写真を投稿するのがブームになったのは2017年。
10年前に日本一高いビルとしてあべのハルカスが誕生したが、今は麻布台ヒルズが日本一。豊洲に移転した市場も10年前はまだ築地だった。10年で公園の遊具も変わり、今は少子高齢化で健康遊具が増えた。
この10年で渋谷から若者が減りつつある。再開発が進み、駅周辺には大きなビルが建った。若者からはお手頃な店が減ってオフィスっぽい感じになったという声が聞かれた。
今は巣鴨のレトロなところが若者に人気となっている。食べ歩きできるオシャレなスイーツの店など若者向けの店も増えている。
コインランドリーがここ10年で全国で5000店以上増えている。共働き世帯が増えたからと言われている。池上はパワーカップルが増えるとお金がかかっても一気に洗えるとタイムパフォーマンスを重視していると話した。今はスマホなどで空き情報を確認できる。ドラッグストアもここ10年で1万3000店から1万9000店ほどまでに増えた。ドラッグストアで売れているのは食品。薬や化粧品で利益を確保し、食品を安く売っている。
ここ10年でコロナの影響もあり店の営業時間も変わった。24時間営業や深夜営業が減り閉店時間が早まっている。深夜営業の店が減ったことで路上飲みが増え、路上飲みが日本の文化だと外国人もいる。
10年前は外食が今より安かった。吉野家の並盛は300円、マクドナルドではハンバーガーなど100円の商品が多く会った。いきなり!ステーキでは現在2560円で提供しているランチワイルドステーキが10年前は1080円だった。当時は値下げ競争の真っ只中でワンコインランチも珍しくなかった。人件費や原材料費の値上がりや円安でここ10年で値上がりした。10年前は1ドル102円ほどだった。
ひと月あたりの食費を10年前と比べると1万4000円以上も増えていた。池上は物価上昇の勢いは弱まりそうだたが下がりはしないと多くの専門家はみていると話した。今日本の外食産業は生き残りをかけて海外に展開している。輸入コストがかかるため、円安による損失を減らすため海外で売るようになっている。外食大手10社の海外店舗比率は4割を超えている。少子化によって国内だけでは稼げない時代になっている。インドでは日本のカレーが日本食として人気。
学校の授業や生活も10年で変わった。聖徳太子は厩戸王と呼ぶことになったが結局復活し今は「聖徳太子(厩戸王)」と併記されるように。足利尊氏とされた絵は教科書にもう載っていない。教科書のページ数も10年で2000ページ増えた。時代の流れで1人1台のタブレット配布も進んでいる。
今はデジタル教科書が本格的に導入されている。動画などのデジタル教材が見られる。Wi-Fi環境が悪いと授業がストップするため紙の教科書と併用されている。池上は最近の研究ではデジタル教材より紙のほうが記憶は定着すると言われていると話した。
10年前は体育は男女別だったが、今は同じ競技で男女が同じコートに立っている。それまで体育の目的は体力や技術の向上だったが、今は男女共習といって男女で同じ種目を行うことの原則実施が求められている。体力や技能などの違いに関わらず仲間とともに学ぶことが重要とされている。東京の一部の公立小学校では勝負をやめ赤組・白組を廃止する動きもある。巨大人間ピラミッドは2015年の事故をきっかけに禁止・休止され、今は高さを競わない組体操になった。10年前は体育座りをしていたが、今は椅子またはあぐらが増えた。座高測定は廃止され、ぎょう虫検査もなくなった。都内では一足制といって上履きを廃止する学校が増えている。
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上履きを廃止する学校が増えたのは防災のため。大きな地震があったときにそのまま逃げられる。10年前は保育園不足が問題になっていた。今は解消されている一方で学童保育は不足している。共働き世帯が約7割となっている今、学童の利用が増え学童の待機児童が増えている。
今は少なくなったが10年前は電車の中に中吊り広告が多かった。線路に平行だったホームのベンチが転落防止のため直角にする駅が増えた。ホームドアの設置には億単位の費用がかかるため線路に対して直角にしたところ転落事故が減少した。最新のパスポートには偽造防止のため葛飾北斎の浮世絵が印刷されている。今飛行機はエンジン2つ、200~300人乗りが多いが、10年前はエンジン4基、最大500席以上のジャンボジェットだった。小型・中型機で満席で飛んだほうが効率的という考え方から2014年にジャンボジェットは引退した。
今ジャンボジェットはアメリカ大統領専用機として活躍している。エンジンが2つだとトラブルが起きたら近くの空港に緊急着陸しないといけないが、エンジンが4つあれば1つが止まっても3つのエンジンまで目的地まで飛ぶことができる。
10年前と比べると道路標識のデザインも変わり、訪日外国人のため英語が追加された。交差点の標識もローマ字表記から英語表記に変わった。橋は「Bridge」だが飯田橋は地名のため「Iidabashi」と表記されていた。英語に直すとわかりにくい場合は「Nijyubashi Bridge」のようにあえてダブらせている。
交通事故は10年前より全体では減っていた。池上はドライブレコーダーが普及し印象に残りやすくなったため増えているイメージがある、事故が減ったからニュースになると話した。10年でドライブレコーダー搭載率が上がり、現在は5割以上になっている。2017年の東名高速あおり運転事故がきっかけで増えたとも言われている。ただ自転車が関係する事故は増加している。
10年前と比べると現在は道路に自転車ナビラインと呼ばれる矢印が増加。自転車は軽車両で原則として車両の左側を通行する決まりだが歩道を走る自転車も少なくないため、目安となる矢印を道路に書くことで安全性を高める取り組み。去年4月からはヘルメット着用が努力義務になった。東京都では2022年の4.1%から2023年には9.1%に着用率が上がった。着用率は地域差が大きく、1位の愛知県は59.9%。愛知県では通学時の着用を義務化し、ヘルメットを無償配布した。45位は秋田県、46位は青森県、47位は新潟県と北の方の着用率が低かった。池上は雪国は自転車を使う期間が少ないためヘルメットを買わないのではと話した。
10年前はガラケーで、為替は1ドル102円ほどだった。今はなんでも安いと外国人観光客だらけになったが、10年前は今の4割ほどだった。10年ほど前から爆買いが始まったが今はあまり聞かなくなった。今年の外国人観光客は過去最高の3310万人。今日本は世界で最も魅力的な国ランキングで2位に選ばれるほど人気だが、10年前は注目されていなかった。池上は2013年以降アジア諸国などからの観光ビザが免除・緩和されたことも大きいと話した。