タイの民主派政党の前進党は去年5月の総選挙で若者を中心に支持を集め第一党に躍進したが一昨日、憲法裁判所は選挙公約で王室への中傷を禁じる不敬罪の改正を掲げたことは国王を元首とする体制の転覆につながるものだとして前進党の解党を命じた。また、党の幹部ら11人について10年間の政治活動の禁止を命じた。これを受けて党に所属していた議員たちはきょう後継となる新たな政党「民衆党」を結成したと発表した。140人余りが所属する民衆党は議会下院の最大野党となり、党首に就任した37歳のナタポン氏は、タイ国民に繁栄をもたらすため私たちは信念や理念、政策を継続していくと述べ、民主化に向けた活動を続けていく方針を示した。一方、タイの汚職防止委員会は前進党に所属していた44人の議員らについて不敬罪の改正法案に賛同したことが倫理規程に違反する可能性があるとして、現在、審議を進めていて、さらに多くの民主派の議員が政治活動の禁止に追い込まれる可能性も出ている。